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2026.10.23

半導体決算ウォッチ|ディスコ中間期の営業利益は47.9%増、海外売上高比率は約9割

半導体ダイシング・グラインディング装置大手のディスコ(東証コード6146)は10月22日、2026年4〜9月期(2027年3月期中間期)の連結決算を発表し、営業利益は1,166億39百万円(前年同期比47.9%増)、売上高は2,570億58百万円(同32.1%増)となりました。同社は、生成AIの需要拡大を背景にデータセンター向け投資が継続し、先端ロジックやHBM(広帯域メモリ)などの高性能半導体向け需要が高水準で推移したと説明しています。会社の開示資料から要点をまとめます。

1. 中間期の主な数値

  • 出荷額:2,845億84百万円(37.2%増)
  • 売上高:2,570億58百万円(32.1%増)
  • 営業利益:1,166億39百万円(47.9%増)、営業利益率45.4%
  • 親会社株主に帰属する中間純利益:803億66百万円(43.7%増)
  • 営業キャッシュ・フロー:1,117億8百万円の収入(181.5%増)、期末の現金及び現金同等物は2,006億27百万円
  • 配当:中間配当は1株186円(前年同期は129円)、期末配当予想は未定

精密加工装置では高性能半導体向けの高付加価値製品を中心に出荷が好調で、消耗品の精密加工ツールも顧客の設備稼働率に連動して高水準でした。為替の影響と高付加価値製品の増加でGP率が上昇し、人件費や研究開発費の増加を吸収したとしています。

2. 海外売上高比率は約9割

決算説明資料によると、2026年7〜9月期の海外売上高比率は89.7%でした。同四半期の地域別構成比(検収ベース)は、日本10%、アメリカ5%、ヨーロッパ7%、アジア78%で、アジアの内訳は中国31%(外資メーカーの現地工場向けを含む)、台湾26%、韓国11%、シンガポール8%です。用途別では、ダイサ、グラインダの出荷額のうちIC向けがそれぞれ73%、77%を占め、CPO(Co-Packaged Optics)関連の需要にも言及しています。

3. 4〜12月期の業績予想を初めて開示

これまで未開示だった4〜12月期の累計業績予想を開示し、売上高3,895億円(28.2%増)、営業利益1,747億円(38.4%増)としました。4〜12月期の出荷額は4,342億円を見込み、10〜12月期の想定為替レートは1ドル=151円です。業績予想は現時点で入手可能な情報に基づくもので、実際の業績は様々な要因により大きく異なる可能性があるとしています。

4. 市場の背景

日本経済新聞によると、10月22日の東京市場ではAI・半導体関連株が下落し、日経平均は1,713円40銭安となりました。米半導体製造装置大手ラムリサーチの決算発表後に同社株が時間外取引で下落したことが一因と報じられています。10月下旬から11月上旬にかけて、国内の半導体製造装置・材料関連の上場企業の決算発表が続きます。

海外投資家・日本進出企業にとっての意味

  • 日本の半導体製造装置メーカーは、世界のAIサプライチェーンの後工程で重要な位置を占め、売上の大半を海外顧客に依存しています。業績には海外のデータセンター・半導体投資の動向と円相場の変動が同時に反映されます。
  • ディスコの場合、売上の約8割がアジア向けで、台湾、中国、韓国の生産能力投資が主な需要源です。決算資料の地域別・用途別データは、AI投資がどの地域・工程に広がっているかを読み取る公開情報の手がかりになります。
  • 日本での拠点設立や日本企業との提携を検討する海外の半導体関連企業にとって、後工程装置・材料・部品の産業集積は、サプライチェーン戦略を考えるうえでの重要な判断材料です。

FinGroupリサーチチームは、日本の半導体、電力、データセンターなどAIインフラ関連産業を継続的に調査しており、リサーチレポートの全文は THE 3% CLUB 会員向けに提供しています。The3%はFinGroupが運営するウェルスメディアで、会員数は約16,000名(無料会員・有料会員を含む)です。

出典

  • ディスコ「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月22日)
  • ディスコ「2027年3月期 第2四半期 決算説明資料」(2026年10月22日)
  • 日本経済新聞(2026年10月22日)、日経平均プロフィル 日次サマリー

アイキャッチ写真:NASA Glenn Research Center / Wikimedia Commons、パブリックドメイン(クリーンルームの研究施設で、ディスコの施設ではありません。トリミング・装置ロゴのぼかし・文字入れ加工)。

免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や助言を行うものではありません。記事中の企業名は客観的な情報として記載したもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。